2019年9月17日火曜日

L. T. Meade,Robert Eustace "A master of Mysteries"


 なんか読むのにちょうどいい未読本ないかなあとキンドルのクラウド漁ってたら出てきた本でなんでダウンロードしたのかはもはや覚えちゃいなかったのだけど、出だしを読んでみると、語り手がゴーストハンターっぽいことを言いつつ、「ここでは超常現象っぽかったけど調べたら人間の仕業だった奴だけ紹介するね」とか言っていて、どうやらミステリー(推理小説)らしいと読み始めたのだけど、特に最初の数本がもうびっくりするほど軽快で、19世紀末の小説なのかこれ、ほんとに? と感心した。
 作者のL.T.Meadeはアイルランドに生まれてロンドンで作家になった。英語版のウィキペディアによれば、生涯で300以上の作品を出版したらしい。こっちの記事では、当時のJ.K.ローリングだったと書かれている。納得。共著者のRobert Eustaceは本業が医者で作品に科学的裏付けに与えた(ついでに当時の風潮との兼ね合いで男の名前が必要だったという話もどっかで見たような気がする)。これが初出版作品でのちにはドロシイ・セイヤーズと『箱の中の書類』(amazon)という本も出している。
 中身は短編集で呪われた家だの一族だのトンネルだのが出てくるが、どれも合理的な解決がつけられる。今の目で見ると、どんな解決がつくの? ということより、「どんな謎が出てくるの?」のほうに興味が行く感じだけども、とにかく読みやすさが半端ないので六本の短編すべてが楽しく読めた。日本語版がなくて残念。"The Secret of Emu Plain"という続編もあるみたいなので、そのうち読んでみようかなと思っている。


A Master of Mysteries (English Edition)

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